HACCPとは-基礎知識

まず知っておくべき基本情報

HACCPとは何の略称?

「Hazard Analysis Critical Control Point」(危害分析重要管理点)の頭文字をとって略されたもので、呼称は「ハセップ」や「ハサップ」、「エイチエーシーシーピー」等があります。当会では「ハセップ」で統一しております。

マークや認証の種類について

HACCPのルーツは宇宙

地球ルーツはNASAと有人宇宙飛行用食糧を製造するピルズベリー社が契約を交わした、1950年代末にさかのぼります。アメリカ合衆国政府は、宇宙飛行士によって消費される食糧のために厳密な安全基準を設定しました。その結果ピルズベリー社は、食品安全危害の発生を防ぐプロセスを開発しました。この概念は、危害分析重要管理点つまり、HACCPと命名されました。

そうです、HACCPのルーツは宇宙にあったのです。確かに、宇宙飛行士が宇宙で食中毒になってしまってはどうすることもできませんから、高いレベルのシステムが必要になったのも理解できます。

HACCPシステムの目的

原材料生産から製造加工、食品貯蔵および流通によって潜在的食品危害の発生を防ぐために使用されることを目指しています。

 

HACCPの基本となる「7原則」

HACCP(危害分析重要管理点)がシステム・マジメントとなるには、まずHACCPシステムの原則を熟知し、その原則が当該食品製造過程で的確に適用されていなければなりません。その原則とは、下記の7原則です。

  1. 危害分析を実施する。

  2. CCP(重要管理点)を決定する。

  3. 管理基準を決定する。

  4. CCPの管理をモニタリングするシステムを設定する。

  5. 特定のCCPが管理下にないことをモニタリングが示す場合に講じられる矯正措置を決定する。

  6. HACCPシステムが効果的に機能していることを確認する検証手順を確立する。

  7. これらの原則と適用に関する全ての手順及び記録に関する文書化を設定する。

以上の7原則には、CODEX(コーデックス)の“一般衛生管理基準”(原材料生産管理・施設・取扱管理・保守管理・人の衛生管理・運搬管理・情報管理・教育訓練管理基準)が言及されていませんが、既に実施していることが前提となっているからです。

CODEXとは(ブログの解説ページへ)

この“一般衛生管理基準”をどの程度実施出来るかによって、HACCPシステムのレベル、いわゆる完成度・安全度が決まります。このレベルに応じてHACCPシステムをランク付けしながら段階的にHACCPシステムを経営統合マネジメントとして、より進歩的に完成度・安全度をアップさせようとするのが、当協会認証の画期的な零細・中小企業専用の「3S-HACCP」なのです。

そして、これらのHACCPシステム7原則をマネジメント化するには、HACCP導入12手順に沿って、製造(生産)現場で洩れなく継続・安定的に、且つ安全・効率的に実践出来るように、“一般衛生管理基準”をどの程度反映して上記7原則を実践して行くのかを示す全体像の文書化とも言えるマニュアル化(含検証・内部監査手順)と、その全体マニュアルと連動した作業個別ごとの作業手順書・点検表・記録簿等の作成・試稼働が必要となります。

これらのマニュアル等の文書作成で肝心なことは、ISO9001でも不可欠となっている“システム・マネジメント”の原理・原則「5W1H」です。

5W1Hとは

Why(理由・目的)・Where(作業場所)・Who(担当者・責任者)・What(方針・手順)・When(フローダイアグラム・時期)・How(手段・方法)とPlan(計画)・Do(実行)・Check(検証)・Action(改善・予防)が効果的に且つ効率的に網羅されていること。

 

これら一連のことが、製造(生産)現場で本稼働して始めて、HACCPシステムが社内マネジメント化することになります。そして、ISO9001と同様にHACCPシステム・マネジメントも固定的ではなく、自己管理の改善・向上スタイルで、自助努力と第三者機関の定期監査等を活用しながら進歩して行きます。

但し、ISO9001の場合には、製品ごとに審査・認証するのではなく、事業所単位となります。他方、HACCPは製造(生産)アイテム(品目)ごとの審査・認証となります。ですので、厚生労働省の任意申請の「総合衛生管理製造過程」いわゆるHACCP承認申請では、限定6品目単位の承認制となっています。

以前、徳島の生鮮魚介類卸業者が日本初の“ネギトロ”でHACCP認証を取得しました。当然、厚生労働省の6品目には該当していないので、国際HACCPを認証取得したのかもしれません。
何れにしても、食材生産者から食品加工業者そして外食事業者加えて運送業者に至るまでHACCPシステム・マネジメントが、必要な時代へと移行していることに疑問の余地は無いようです。そして、すでにISO22000認証が始まっており、HACCPシステム・マネジメントの必要性がさらに高まってゆくと考えています。

であれば、ハードルの高いISO22000を目差して、今から「3S-HACCP」又は国際公認IQS-HACCPを認証取得していち早く準備しておくか…ISO22000が無理で有れば、「3S-HACCP」から出発して国際公認IQS-HACCPで勝負するかが重要になるのです。

ISO認証については国際認証登録機関IQS-JAPANへ

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